いけにえと雪のセツナ 本編クリア 感想/レビュー

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このタイトルはキャッチコピーがあってこそという感じがするので引用させていただく。

純国産RPGが隆盛を極めた1990年代、
当時遊んだ数多のRPGは、今もぼくたちの記憶に強く残っている。
パーティ編成、街での買い物、ダンジョン攻略、ギリギリで倒した強敵たち。
そして、エンディングで流した涙-。
名作たちが与えてくれた感動は、今なお色褪せることはない。

あのプレイフィールを追求し、
記憶に残る物語、記憶に残るゲーム体験を-。
この理念の下『いけにえと雪のセツナ』は開発が進められています。

いけにえと雪のセツナ | SQUARE ENIX

かくいう私も90年代のJRPGが大好きだったのだが、JRPGの何が好きだったのか明確に言語化できていないのでJRPGを構成する要素とはなんなのか突き止めるのは常に課題として頭にある。

そして、今プレイするゲームはRPGよりも他のジャンルの方が多くなっている。果たして私はRPGに過去何を求め、そして今何を求めているのだろうか。

グラフィック

旧作のJRPGからこのゲームに直接遷移したのならグラフィックの進化に多少の驚きはあるかもしれないが、PS4に慣れてしまった人間には驚きはない。

また、全フィールドが雪に覆われているので新しいフィールドに行ってもグラフィック的な目新しさが何もなくプレイしていて新鮮味が得られないのは残念であった。

戦闘

いわゆる伝統的なATBを採用している。
パブリッシャーが「スクウェア・エニックス」だったり、魔法名がFF由来であることを考えるとFFを意識している節は見受けられる。

ATBに関して特質すべき事はない。

特有のシステムとして「刹那システム」というものがある。これはSPゲージが1上溜まっていると使用できる。
SPゲージを貯めるには行動順が来てもそのまま待機していると自然増加、攻撃を与えたり受けると増加する。

「刹那システム」は魔法発動時タイミング良くボタンを押すことで魔法の性能をアップする効果がある。
例えば、ダメージ/回復量増加、状態異常付与など魔法ごとに様々な効果が設定されている。
これもそんなに目新しいものではないだろう。

ただ、法石の昇華というシステムがあることで刹那の重要性が増している。

法石・昇華

本作ではレベルアップで魔法を習得することはなく法石をセットすることによりその法石の魔法を使用できるようになる。
といっても好きなキャラで好きな技を使えるわけではなく、キャラ特有の法石がいくつも用意されている。

そして、法石は法器と呼ばれる装飾品にセットする。
法器には特殊効果と昇華効果がセットされている。特殊効果は装備するだけで効果を発揮する。
昇華については、装備している法器の昇華効果が刹那システムを発動した魔法に最大10つまで(同じ効果は4つまで?)付与することができる。

つまり、魔法の育成システムということになる。
例えばケアルガの消費MPを減らしたいと考えたら、消費MP減を昇華に持つ法器を装備してケアルガで刹那システムを使用すると低確率で戦闘終了時に昇華効果を魔法に付与できる。

かなり自由度もあり面白いシステムだと感じたが、いかんせん昇華する確率が低いことと昇華して魔法を成長させないといけないようにエンドコンテンツが用意されていないのが残念。
熟練度方式で一定回数で昇華するみたいな感じの方が良かったかなと思う。

シナリオ

主人公エンドは、セツナと共にいけにえの儀式が行われる最果ての地を目指して進んでいくのだが、
特に大きな波乱(細かいのは確かにあるが)もなく最果ての地に辿り着いたらちょっとした答え合わせがあってそのまま終わり。

この答え合わせっていうのが実はタイムリープしててこの旅何回もやってました。でも今回はいつもと違ってエンドがいたので結果が変わったのかな?
ん?タイムリープを終わらせる役目だからエンドって名前なの?と思考を巡らせることになったのだが、
答え合わせするつもりならちゃんと問題を出題しておいてほしい。
最初から最後まで最果ての地ってどんな所なんだろうな。いけにえの儀式ってなんだろうなと考えていたのでそこにはひねりがあまりなく、実はタイムリープしてましたの方に重点が置かれているぽかったのでならちゃんとその思考に誘導しておいてほしい。

まとめ

ボリュームもあまり多くなく、割と手軽にプレイできるように作られていた印象。
こういった部分は古き良きからはかけ離れているかなと。
プレイ時間がいくら長くなっても飽きさせない要素が古き良きJRPGにはあった。
だけど本作に何を足せばそういった作品になるのかがわからない。